「歯を守る」予防歯科の賢い活用法
2025年に開業をさせて頂き、開業準備から1年を振り返ると、歯科医療の世界では「治療中心」から「予防中心」へのシフトがより明確になりました。患者自身が“自分の歯を守る”という考え方が浸透しつつあり、歯科医院は、そのための科学的根拠に基づいた具体的な方法を示す役割を担っています。今年こそ、患者が自分の口腔状態を理解し、医療者とともに継続的に健康を守っていける一年にしていきたいところです。
そのためには、最新の予防歯科トレンドを知り、医院でのメインテナンスや患者教育に生かすことが重要です。そこで本記事では、2025年~2026年版の予防歯科の注目ポイントを「医学的根拠」「患者さんが理解しやすい説明」「医院の強みを活かす方法」の3軸でわかりやすく解説したいと思います。
予防歯科は「個別最適化」へ進化した
従来の予防歯科は、歯石取りや定期的なクリーニングが中心でした。しかし、近年ではリスク評価を行い、患者ごとに異なる虫歯・歯周病の危険性を数値化し、その結果に応じた予防プログラムを組む「個別最適化」が注目されています。
同じ年齢の患者さんでも、
・唾液の性質
・生活習慣
・歯並び
・歯ブラシの癖
・食生活
・遺伝的要素
などによってリスクは大きく異なります。今後の予防歯科では、こうした個性を尊重し、患者さんが理解しやすい形でケア計画を作っていくことが求められると考えます。
バイオフィルムを“可視化”して理解してもらう
バイオフィルムとは、歯の表面に形成される細菌の集合体で、ヌルッとした膜のように付着します。一見すると単なる汚れに見えますが、内部では細菌同士が守り合う仕組みを持ち、歯ブラシの力だけでは落とし切れません。
患者さんは「磨いているのになぜ虫歯になるの?」と疑問に思うことがあります。
そこで近年増えているのが、
・染め出し剤による視覚化
・バイオフィルムの顕微鏡画像の提示
・デジタルチェックでの見える化
などによって、汚れの残り方の個性を患者さん自身に見てもらう方法です。
「奥歯の内側に磨き残しが多いですね」「ここが赤く染まるのがバイオフィルムです」など、視覚情報を用いた説明は、行動変容にとても効果的です。
唾液検査で“虫歯になりやすさ”を科学的に知る
唾液検査は、予防歯科の質を高める重要なツールです。近年は検査時間も短縮され、医院で手軽に行えるシステムが広がっています。
唾液検査では、
・唾液量
・緩衝能(酸を中和する力)
・ミュータンス菌の量
・ラクトバチラス菌の量
・pHの変動傾向
などを評価できます。
これにより、
「あなたは酸に弱い体質なので、甘いものを食べるタイミングに注意しましょう」
「細菌の活動量が高いので、メインテナンスの間隔を短めにしましょう」
といった“根拠のある提案”が可能になります。
PMTCが再評価されている理由
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、国家資格を持つ歯科衛生士が専用の器械とペーストを用いてバイオフィルムを除去する専門ケアです。
近年、その価値が再評価されています。
理由は以下の通りです。
・歯石取りとは違い、歯面を整えて細菌がつきにくい環境にする
・歯肉縁上のバイオフィルムを効率的に除去
・着色除去により審美性も向上
・歯面がつるつるになり再付着を防ぎやすい
・痛みがなく、患者満足度が高い
「歯石取り=クリーニング」と思っている患者さんに、PMTCの価値を理解してもらうことは、予防歯科の質を底上げする第一歩です。
相模原駅ビル歯科の予防歯科
■患者さんが誤解しがちな予防ポイントを“優しく修正”
●誤解①:毎日磨いているから大丈夫
歯科医…どんなに丁寧に磨いても、歯ブラシが届かない場所は存在します。
●誤解②:歯石を取れば予防完了
歯科医…歯石は「結果」であり、原因であるバイオフィルムを落とさなければ予防は成り立ちません。
●誤解③:痛みがなければ問題ない
歯科医…歯周病は“静かに進行する病気”です。症状が出たときには進んでいることも少なくありません。
医院選びは「メインテナンスの質」が重要
患者さんが予防を続けられる医院には共通点があります。
・担当衛生士制である
※または掛かりつけ歯科医院である
・定期的なリスク評価を行う
※きちんと自分の口腔内の現在・過去を把握してくれている
・唾液検査や咬合チェックがある
※口腔内を管理する環境が整っている
・PMTCやSPTに力を入れている
※歯科衛生士のレベルが高い
・患者教育が丁寧
※「治療でおしまい」じゃなく、知識や情報を伝えてくれる
予防は“継続”が命です。
そのためには、患者さんが安心して通える医院づくりが欠かせません。相模原駅ビル歯科はスタッフ全員で患者さん想いで、成長する医院作りを大切にしています。
YUKI.MARUMO